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幽霊と怪物の出てくるお話-怪奇小説傑作集3 英米編Ⅲ-

怪奇小説傑作集3 英米編Ⅲ H・P・ラヴクラフト他

収録作品は以下の通りです。

「ラパチーニの娘」ナサニエル・ホーソーン
「信号手」チャールズ・ディケンズ
「あとになって」イーディス・ウォートン
「あれは何だったか?」フィッツ=ジェイムズ・オブライエン
「イムレイの帰還」ラドヤード・キップリング
「アダムとイヴ」A・E・コッパード
「夢のなかの女」ウィルキー・コリンズ
「ダンウィッチの怪」H・P・ラヴクラフト
「怪物」アンブローズ・ビアース
「シートンのおばさん」ウォルター・デ・ラ・メア

「ラパチーニの娘」
有毒な植物を育てている科学者とその娘、娘に恋をした青年の話。

ラストシーン、青年に協力した教授が一番怖いんじゃないか、と思いました。

「信号手」
信号手が見た幽霊の秘密とは……。

私は、この話が大好きで、もう何十回も読んでいるのですが、やっぱり面白かったです。

「あとになって」
あとになって見たものが幽霊だったとわかる、という幽霊屋敷の話。

すぐに幽霊だとわからないということは、相当リアルな幽霊なんでしょうね。
主人公の夫は、どこに行ってしまったのでしょう……。

「ダンウィッチの怪」
人ならざるものとの間に産まれた者達が引き起こす悲劇。

この話も何度も読んでいますが、やっぱり面白かったです。
怪物を望遠鏡で見た村人達の会話が、スリリングでした。

タグ: ホラー
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人間の怖さがわかる短編集-怪奇小説傑作集2 英米編Ⅱ-

怪奇小説傑作集2 英米編Ⅱ ジョン・コリア―他

「ポドロ島」L・P・ハートリイ
「みどりの想い」ジョン・コリア―
「帰ってきたソフィ・メイスン」E・M・デラフィールド
「船を見ぬ島」L・E・スミス
「泣きさけぶどくろ」F・M・クロフォード
「スレドニ・ヴァシュタール」サキ
「人狼」フレデリック・マリヤット
「テーブルを前にした死骸」S・H・アダムズ
「恋がたき」ベン・ヘクト
「住宅問題」ヘンリイ・カットナー
「卵形の水晶球」H・G・ウェルズ
「人間嫌い」J・D・ベレスフォード
「チェリアピン」サックス・ローマー
「こびとの呪」E・L・ホワイト

「ポドロ島」
猫を殺そうとする女の人が一番怖かったです。

「泣きさけぶどくろ」
主人公は、世間話として殺人の話をしただけなのに祟られてしまってかわいそうです。

「スレドニ・ヴァシュタール」
ひどい叔母に子供が復讐する話です。
クールな文章です。

「住宅問題」
幸運な男が持っている籠の中にいたのは……という話ですが、少しコミカル、でも、最後は少し怖くなるような話でした。

「人間嫌い」
ある角度から人を見ると人間の嫌な部分が見えてしまう男性の悲劇。
人間嫌いになってもしょうがないな、と思いました。

「こびとの呪」
アフリカで探検家が呪術師を殺し呪われるという話。
その呪われ方が結構ひどいです。
水木しげるさんの漫画で、猫に呪われる話があるのですが、それを思い出しました。

タグ:ホラー
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有名な作品が多い短編集-怪奇小説傑作集1 英米編Ⅰ-

怪奇小説傑作集1 英米編Ⅰ A・ブラックウッド他

収録作品は、以下の通りです。
「幽霊屋敷」ブルワー・リットン
「エドマンド・オーム卿」ヘンリー・ジェイムズ
「ポインター氏の日録」M・R・ジェイムズ
「猿の手」W・W・ジェイコブズ
「パンの大神」アーサー・マッケン
「いも虫」E・F・ベンスン
「秘書奇譚」アルジャーノン・ブラックウッド
「炎天」W・F・ハーヴィー
「緑茶」J・S・レ・ファニュ

「幽霊屋敷」は、なかなか怖い幽霊屋敷の話だなと思って読んでいたのですが、途中で特殊な人物が幽霊屋敷を作っていたということがわかって意外な展開でした。

「猿の手」と「パンの大神」は、読んだことがあったのですが、やはり面白かったです。
「猿の手」の最初は幸せそうだった家族が壊れてしまうところが、怖く切ないです。

「いも虫」は、いも虫嫌いの人が読んだら卒倒しそうです。

「秘書奇譚」は、秘書が訪ねた家の主人が怪しく、使用人も怪しく、雰囲気がよいです。最後のごたごた感もよいです。

「炎天」は、「世にも奇妙な物語」にでてきそうな話でした。

タグ: ホラー
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妖しい雰囲気のミステリー-深夜の市長-

深夜の市長 海野十三

深夜の散歩を趣味とする僕は、今夜もT市を散策していた。すると、殺人を目撃し、犯人に襲われる。
犯人は逃げ、意識を取り戻した僕は、警官に追われる。
僕をかくまってくれたのは、一人の老人。彼は、“深夜の市長”と呼ばれる人物だった……。

ミステリーの短編集です。
江戸川乱歩に、科学を足して、耽美を引いた感じのお話でした。

表題作の「深夜の市長」は、夜のT市を牛耳る深夜の市長、仲間の科学者、飲み屋の女性など、昼間とは全然違う世界が、夜に現れるというところが面白かったです。

ただ子供の扱いがひどすぎると思いました。
昭和ならOKでも、令和ではNGだなぁ、と……。

表題作以外の収録作品は、以下の通りです。
「空中楼閣の話」
「仲々しなぬ彼奴」
「人喰丸鋸」
「キド効果」
「風」
「指紋」
「吸殻」
「雪山殺人譜」
「幽霊消却法」
「夜毎の恐怖」

折れ線グラフが鍵となる「キド効果」が面白かったです。

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面白いSF短編集-伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触-

伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触 マレイ・ランスター他

伊藤典夫さんが翻訳したSF短編集です。とても面白かったです。

「最初の接触」マレイ・ラインスター
「生存者」ジョン・ウインダム
「コモン・タイム」ジェイムズ・ブリッシュ
「キャプテンの娘」フィリップ・ホセ・ファーマー
「宇宙病院」ジェイムズ・ホワイト
「楽園への切符」デーモン・ナイト
「救いの手」ポール・アンダースン

「最初の接触」
カニ星雲で異星の船と接触した地球人。
異星人を信頼することはできない。地球の位置を異星人に知らせることなく、地球に帰ることはできるのか。
異星人を抹殺するしかないのか……。

ラストがなかなか爽やかでした。

「生存者」
火星に行く宇宙船が故障し、火星に着陸できず、火星の周りをぐるぐる回り続けることになってしまった。
食料は足りなくなっていく……。

途中でラストの想像はついたのですが、それでも怖かったです。

「キャプテンの娘」
ある新興宗教が支配的な惑星からやってきた宇宙船の乗客が突然倒れた。
医師は、病気の原因を探り始める……。

フクロムシという寄生生物がいることを初めて知りました。
なかなかエグイ生物です。
人類も何かに寄生されているのかも、なんて^^;

「救いの手」
人類が他の種族に支援をするかどうかを決める重要な会議。
スコンタール人の代表が無礼な態度をとったため、スコンタール人への支援は中止された。
彼がそんな態度をとった理由とは……。

ある文化が、他の文化を駆逐してしまう。そのまま現実にあてはまります。
考えさせられるお話でした。

タグ:SF
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若きローランドの語る物語-ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風-

ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風 スティーヴン・キング

ローランド達は、殺人的な寒さから身を守るために避難所に退避した。
暖炉の前で、ローランドは過去を語り始めた。
それは、ローランドが15歳の時、変身能力を持つスキンマンによる連続惨殺事件の調査をした話だった。
その時、ローランドは、父親を亡くした少年に出会い、昔、母親から聞いた昔話を少年に聞かせたのだった……。

ダークタワーシリーズは終わったのだと思っていたら、いつの間にか「四と二分の一」巻が出ていました。
嬉しい驚きです。
シリーズを読み終わってからだいぶ経っているので、ちゃんと話についていけるか少し心配でしたが、読み始めたら、「久し振り。ローランド、変わってないね。他の皆も」という感じで、スムーズに読めました。

ローランドが語る話の中で、更にローランドが語るという入れ子構造になっているのですが、少年ティムが主人公の昔話が面白かったです。

ティムが妖精にだまされるシーンは、ハラハラしました。
魔法と現実の混ざり具合が、キングらしいです。車のシフトレバーで魔法をかける(笑)

母親がローランドに送った手紙の内容が明らかになり、感動しました。

本を読んでいる間、幸せな時間を過ごすことができました。

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