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子どもたちの何気ない日常-真夜中のパーティー-

「真夜中のパーティー」 フィリパ・ピアス

子どもたちの何気ない日常やちょっとした出来事を描いた短篇集です。
楽しい話もあれば、切ない話もありました。

「真夜中のパーティー」
ハエのせいで夜中に起きてしまったチャーリーが、両親には秘密で兄弟姉妹と一緒にポテトケーキを食べる話。
楽しそうでいいなぁ。

「牧場のニレの木」
ニレの木を伐採することになって、リッキーは同じ学校の子供たちと木を見に行く。
そのことをきっかけにリッキーは友達を作ることができて、幸せにはなったのですが、
ニレの木がなくなったことは寂しくて、少し泣いてしまうのが切ない。

「ふたりのジム」
おじいさんのジムと孫のジムが、ちょっとしたお出かけをする話。
祖父と孫の素敵な関係。

「アヒルもぐり」
水泳の練習中、主人公の少年はコーチが池に投げたレンガをもぐって取りに行く。
主人公が取ってきたのはレンガではなく、ブリキの箱だった。
そのことが少年に勇気を与えた。
あー、なんかわかる、という感じ。レンガより嬉しい特別感。少年が頑張った証。

タグ:児童文学
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失踪した彼はどこに?-Ψの悲劇-

「Ψの悲劇」 森博嗣

元大学教授、八田洋久が失踪した。
一年後、八田の知り合いが屋敷に集まるが、その夜殺人事件が起こる。

Gシリーズ後期三部作の第二弾です。
面白かったです。SFミステリーでした。

語り手は八田家の執事ですが、実は彼は……というところが良かったです。

島田文子さんが登場します。

ラストは、少しぞっとしました。


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出会いがあり、別れがあり-ダマシ×ダマシ-

「ダマシ×ダマシ」 森博嗣

小川令子は、結婚詐欺にあったらしい女性から相手の男性を探す依頼を受けた。
やがて、その男性が殺害される……。

Xシリーズの第六巻で、これでXシリーズは完結です。

今回の事件は、犯人も謎解きもすっきりしていました。

登場人物が結婚したり、別れがあったり、シリーズ最終巻らしい話でした。

最後に依頼人の正体がわかり、びっくりしました。
性格、変わりすぎじゃないですか?
それまでにいろいろあったんでしょうね……。
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勇気をもらえる本-トム・ゴードンに恋した少女-

「トム・ゴードンに恋した少女」 スティーヴン・キング

9歳の少女トリシアは、母親、兄と一緒にピクニックに出かけた。
トイレに行きたくなって少し道をはずれたことをきっかけに、深い森の中で迷子になってしまう。
怪我をして、虫に刺され、病気になりながらも、トリシアは必死に前に進む。

とても面白くて、スリリングで、勇気をもらえる本でした。
ホラーではなく、サバイバル小説です。

トリシアがとにかく悲惨で、応援せずにはいられません。

トリシアは、レッドソックスのトム・ゴードンの大ファンで、ラジオでレッドソックスの試合を聞くことを心の支えにして、どうにか前に進んでいきます。
いわゆる”推し”ですね。
会ったことのない人でも、歴史上の人物でも、想像上の人物でも、尊敬する憧れの人がいると、生きていく力になるんだなぁ。

トム・ゴードン以外にも父親、母親、友達など身近な人がトリシアに言ったことが、トリシアの助けになります。

トリシアが、無事に帰れたら自分だけの言い回しをいくつか作ることにしよう、と呟くシーンが好きです。

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過酷な探索行-銀のいす-

「銀のいす」 C・S・ルイス

ユースチスとジルは、ナルニア国で行方不明の王子を探す。

ナルニア国シリーズの四作目です。

アスランに言われて王子を探すことになった二人ですが、最初からアスラン言われたことを守れずに過酷な旅をすることになります。

旅の相棒は、沼人の泥足にがえもん。すごい名前……。
周りが暗くなるようなことばかり言う人ですが、良い人。

魔女との戦いのシーンは、すごくドキドキしました。
何度も操られそうになりながら、必死の抵抗。
泥足にがえもんが、かっこよかったです。

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身近なところに科学はあふれている-科学と科学者のはなし-

「科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集」 池内了編

物理学者、寺田寅彦のエッセイ集です。

日常の出来事の中にも、科学のタネがたくさんあるんだよ、ということがわかる本でした。

「夏目漱石先生の追憶」は、夏目漱石好きの方は必読です。
浅草のルナパークでメリーゴーラウンドに乗っている夏目漱石の姿を想像すると、ニヤニヤが止まらない。
夏目漱石の没後、「先生が文豪にならなかったら、もっと長生きしたのかも」と嘆くところでは、切なくなりました。

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実話の凄み-遠野奇談-

「遠野奇談」 佐々木喜善

遠野で起きた山の怪異、動物たち、人間たちの話です。
柳田国男の「遠野物語」は、佐々木喜善から聞き取った話をまとめたものなんですね。
「遠野物語」は読みましたが、誰が語った話なのかは考えたことがありませんでした。

この本には、怪異の話もでてきますが、それ以上に動物や人間の話が心に残りました。

子供を取られて復讐する狼の話や、ボス争いをする牛の話が面白かったです。

郵便配達夫の頭がおかしくなって家族を殺害してしまう話は、怖かったです。

天保の飢饉の話も怖かったです。
昔話やおとぎ話ではなく実話なので、より一層怖いし悲しくなりました。

満州事変の時に、神様たちが満州に御神立された話は、初めて知りました。
非常に興味深かったです。
兵士に無事に帰ってきてほしいという人々の思いから生まれた現象なのでしょうが……。



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とてもわかりやすいローマの歴史-ローマとギリシャの英雄たち<栄華篇>-

「ローマとギリシャの英雄たち<栄華篇>」 阿刀田高

ギリシャ人プルタークが記した「英雄伝」をわかりやすく読ませてくれる本です。

カエサル、ポンペイウス、アントニウス……名前は聞いたことがあってもよくわからなかった人物が、いきいきと描かれていて、とても面白かったです。

ローマの政権争いは、過酷だったんですね。
カエサルは二十三箇所も刺されて亡くなったそうで、そこまでしなくても……と思いました。

紹介されている人物の中では、アレクサンドロス大王が一番かっこよかったです。


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不思議な病気が蔓延した社会の群像劇-眠れる美女たち-

「眠れる美女たち(上)(下)」 スティーヴン・キング、オーウェン・キング

眠った女性を繭が覆い、女性は目を覚まさなくなった。
オーロラ病と名付けられたその病気は、世界中に広がった。
小さな町、ドゥ―リングに現れた女性イーヴィだけは、その病気にかからなかった……。

面白いお話でした。
ネタバレありの感想です。





最初は少し読みづらい気がしたのですが、フランクが娘を病院に連れていって惨劇が起こるあたりから話にひきこまれました。

イーヴィを守るクリント、イーヴィを奪おうとするフランク、刑務所を破壊したいグライナー兄弟が刑務所に集まるシーンは、スリリングでした。

イーヴィがあっさり退場してしまったのは、少し残念でした。

あと、クリントとライラの関係が修復できずに終わったのが少しかわいそうでした。
クリント、無実だったのに……。

この話は、スティーヴン・キングと彼の子供のオーウェンの共作ですが、スティーヴン・キングの本に比べると、少し純文学みが強いかなと思いました。
ラストの終わり方とか……。

たぶん基本的にはオーウェンが書いて、グロいシーンにキングが手を加えて盛り盛りにしているんだろうな。勝手な推測ですが。

「君たちはどう生きるか」の魚の解体シーンに宮崎監督が手を加えたらしいので、そんな感じなのでしょう、たぶん。



タグ:SF ホラー
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夏の思い出-AnotherエピソードS-

「Another エピソードS」 綾辻行人

「Another」で見崎鳴が一週間くらい家族と一緒に市外の別荘に行っていましたが、その時のお話です。

「Another」に比べると、ライトな感じ。
十分面白かったですけれども。





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