SFを味わいたければ原作で~宇宙戦争~
スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の「宇宙戦争」を見ました。
「マイノリティ・リポート」を見るつもりで見るとつまらない映画、「シンドラーのリスト」を見るつもりで見ると面白い映画でした。
私は結構好きです。
トム・クルーズが、離婚した父親役を上手く演じています。子供と仲良くしようとしながらも、子供のことを全然わかっていない父親で、トムらしくない役柄ですが、焦燥感が伝わってきて良かったです。
トムの娘役のダコタ・ファニングも、さすがです。
(キャーキャー騒ぎすぎでイラッとするのですが、そこがいい)
レーザーに打たれた人間の衣服が舞い上がるシーン、逃げるために車を奪おうとする人間の恐ろしさ、そして、炎上する列車が踏み切りを通過するシーンが最高でした。
ラストシーンで、生き残っている人についても、違和感なく受け入れられました。というのも、兄が妹のパニックを抑えようとするシーンや、妹が乗馬のメダルをずっと握り締めているシーンなどの細部がしっかりしていて、映画の外の世界を信じることができたからです。
難を言うなら、
・トライポッドが何万年も前に地中に埋められていたって・・・・。
地面がひび割れていく絵を撮りたかったからでしょうか。
原作では、宇宙人がトライポッドを組み立てるのを周りの人間達が不思議そうに見守るというのが見所になっています。
・宇宙人の造形がイマイチ。姿を見せずに、最後に腕だけが見えるというのでもよかったのでは・・・。
・血を吸った後に生える木って一体・・・。
真っ赤に染まった街を撮りたかったんでしょうね。
・血を吸って人間を殺すわけではなく、また血を吸うために生かしておくことを明確にした方がより怖かったかと思います。
でしょうか。
総じて、SF的な設定よりも、撮りたい絵が優先って感じですかね。
映画に満足できなかった方は、原作をどうぞ。
早川書房 (2005.4)
通常2-3日以内に発送します。
最初と最後しかはっきり覚えていないのですが、面白いです。
人間が宇宙人に勝つわけではないというのが良いですよね。
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