11月は芽吹く季節～園芸家１２カ月～

園芸家１２カ月

posted with 簡単リンクくん at 2006.11. 5

カレル・チャペック著 / 小松 太郎訳
中央公論社 (1996.3)
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ロボットという言葉を産み出したカレル・チャペックのエッセイです。
これが面白い！
園芸に全く興味のない人でも、思わずくすりと笑ってしまうこと確実です。

旅行に行ったのに、庭のことばかり気にする園芸家の話とか、
園芸家は花ではなく、土を育てているという話とか、
軽妙洒脱という言葉がぴったりです。

チャペックによると、11月は芽吹く季節、新しい根が伸びる季節だそうです。
ちょっと長いですが引用させて下さい。
「わたしたちが現在とよぶ古い作り土のなかに、どんなにたくさんの太った白い芽がぐんぐん伸びているか、(中略)それを見ることができたとしたら、秘められた将来の繁栄をわたしたちのなかにながめることができたとしたら、おそらくわたしたちは言うだろう。－－－おれたちのさびしさや、おれたちのうたがいなんてものは、まったくナンセンスだ。いちばん肝心なのは生きた人間であるということ、つまり育つ人間であるということだ、と。」